端午の節句に登場する武将兜の中で、徳川家康公モデルは完全に1アイテムとして確立されておりますが、その他の徳川将軍の兜は殆ど制作されていません。
徳川の世になって戦国時代は終焉を迎え、鎧兜は実戦の武具から、大願成就のための奉納品や観賞用の美術品へと移行して行くのですから無理もないところではありますが。
写真の品は二代将軍・徳川秀忠公モデルとして制作致しました。
関ヶ原の合戦に間に合わなかったことや、原哲夫氏の漫画では冷酷な独裁者として描かれていることから、秀忠公にはマイナスイメージがあるようですが、実際には冷静な状況判断能力を持った温厚な人物であったといわれています。
出来上がって間もない不安定な徳川幕府を、磐石なものとした能力はやはり非凡であったといえると思います。
地元浜松市出身の武将として、市民の皆さんにも知っていただきたい人物です。
残念ながら秀忠公の鎧兜も現存している品が少なく、本作品は大河ドラマ「葵三代」に登場した兜を模写して、甲冑工房・忠保さんに制作していただきました。