昨日も羽子板、破魔弓、そしてお雛さまをお求めに、たくさんのお客様にお運びを頂きましてありがとうございました。
おひなさまの様式や色彩が多様化している昨今ですが、雛人形の衣装で金襴の格式が高いとされているのは、今も昔も変わりません。
更に古典的な衣装として、天皇陛下や皇太子殿下がお召しになる御衣裳も同様の格式を誇っています。
天皇陛下が即位の際にお召しになる黄櫨染(こうろせん)や皇太子殿下即位の際の黒、御成婚の儀の際の黄丹(おうに)など、金糸を使用しない無地の生地は、ここ数年雛人形の世界でも人気があります。
こちらの菊塵(きくじん)も天皇陛下のみが使用できるとされる御衣裳です。
見る角度により色合いが変化するのが特徴で、普段は地味目な深緑なのですが、光を当てると茶褐色に見えます。
お部屋の中にいらっしゃる陛下が、太陽の下、お庭に出てこられると、突然お召し物の色彩が変化するという幻想的な姿を見て周りの者が驚く。そんな情景が目に浮かぶようです。
濃紺の御衣裳が、紫色に変化する黒菊塵というものもございます。
大安吉日の今日も、皆さまのおこしをお待ち致しております。