昨日は、手描き京友禅の片岡尊正氏のお雛さまをご紹介致しましたので、今日も京都のお雛さまをご紹介します。
写真の品は小西清甫氏が制作したお雛さまです。
男雛の束帯は「黄丹」と呼ばれるご衣裳で、皇太子殿下がご成婚の折りにお召しになられたものを模写しています。
女雛も雅子様がお召しになられた衣裳をイメージしております。
清甫さんは1889年創業の人形工房の4代目で、既に五十年以上にわたって雛人形を作り続けています。
特に「ひとえ(色重ねの一番内側の衣裳)」の外側に縒りをかける工程に独特の特徴を持っています。
通常のお雛さまに比べて手間がかかりますが、「何故ここまで手をかけ、より難しい着付けにするのか?」という問いに対して、「確かに無駄と思われるかも知れません。ですが、そうしてやりますと驚くほど高貴な姿、立ち振る舞いになるんです。」と清甫さんは語っています。
京職人の頑固な姿勢をご覧いただければ幸いです。
京九番親王 京都:清甫作