4月も半分が終了し、今年の五月人形の売り出しもいよいよ終盤へと向かいます。
今年も色々な鎧兜を販売させて頂きましたが、徳川家康、伊達政宗、上杉謙信などの有名武将モデルとともに、端午の節句の1アイテムとして確立された感があるのが「前田慶次郎」モデルです。
2003年に、寿月すみたやが全国の5つの人形専門店さんと人形界で初めて企画し、甲冑工房・忠保の大越社長に製造を依頼したのが「前田慶次郎鎧」のはじまりです。
前田慶次郎の鎧はほとんど現存していないことから、当時、若者に人気だった漫画・花の慶次を参考に、その破天荒かつ華やかなイメージを投影して創作しました。
特に2005年に発表した鎧は完成度が高く、10年近く経過した現在でも製造を続けて頂いております。(下の写真です。)
これをきっかけにお節句の世界で慶次郎の鎧兜が受けいられるようになり、他の職人さんも慶次郎モデルを製作されるようになりました。
鈴甲子雄山さんが、米沢の宮坂考古館に現存する慶次郎の鎧を模写してお節句用に作り上げたのも記憶に新しいところです。
寿月すみたやでは、この鎧に慶次郎のトレードマークである「皆朱の槍」を添えてみました。
その後もメーカーさんのご協力を頂き、新しい作品を発表しております。
一番新しいモデルは、龍が天に上るかのような脇立を兜に配しました。
こうしてみると、ひとつの鎧兜にも様々な変遷があって面白いです。
前田慶次郎の鎧兜は、発表以来、常に熱狂的な慶次郎ファンのお父さんたちに支えられて販売を続けることができました。
皆さん、慶次郎の豪快な生き様にあこがれてこの鎧兜を選ばれたようですが、赤ちゃんにも、他人を思いやることができて、器の大きな慶次郎のような人間になって欲しいとの願いが込められているのでしょう。
そんな人生のロマンを飾る方に与えてくれる作品を販売できていることをうれしく思いますし、このような作品を作ってくださった職人さんたちに感謝したいと思います。
慶次郎モデルの鎧兜。今年もまだ何点かございます。
5月5日まで、皆様のご来店をお待ちいたしております。