女の子のお正月飾りで、かつては羽子板と人気を二分していたのが「まり飾り」です。
その名の通り、絹糸や木綿糸を芯に巻いて作った毬をケースにおさめた飾りものですが、遠州地方では、「毬のようにふくよかに、円満に育ちますように。」との願いを込めて、その年に生まれた女の子が迎える初正月に床の間や玄関先に飾りました。
20年ほど前までは、羽子板よりも引き合いが多かったのですが、地域限定の飾り物ということで、製作者も減少し、現在では僅かに数点が制作されるのみとなりました。
お正月飾りの代名詞は羽子板に奪われてしまった感がありますが、昔からの風習を大切にされる方からは、今も大きな人気を誇っています。